COLLABORATION BAG
SPECIAL INTERVIEW
原宿にあるUNBY GENERAL GOODS STOREで、
今回のトリプルコラボレーションに関する対談を行いました。
話を進めるのは、当コラボレーションの立案者でありgallery of GALLERIAのバイヤー江口昌利と
AS2OVのデザイナー冨士松氏、そして、伝説のスケーター・ミュージシャンであるTommy Guerreroの三人。
軽快でフレンドリーな会話から、このバッグに対するこだわりや、ジェントルメンな人柄、
ものづくりへの真摯な姿勢が垣間みれると思います。
- Masatoshi Eguchi gallery of GALLERIA buyer / inventor(以下E / 写真左)
- 今回のコラボレーションの立案者。また、AS2OVをはじめ、国内外のバッグを取りそろえるセレクトショップgallery of GALLERIAのバイイングを担当。トミーからもマーシーと慕われている。
- Tommy Guerrero musician / skater(以下TG / 写真中央)
- 10代で1980年代に一世を風靡したスケートチーム「ボーンズ・ブリゲード」の最も有名なメンバーのひとり。ストリートスケートのパイオニア的存在。スケートボードでの成功ののち、第2の分野音楽で自己表現を開始。ソロアーティストとしてはもちろん、BLKTOP PROJECTとしても活動。
- Taichi Fujimastu AS2OV designer(以下F / 写真右)
- バッグブランドAS2OVデザイナー/UNBY ディレクター。 20 年以上バッグデザインをしてきた経験値で作るバッグは、機能性とデザインを兼備させている。
F
今回のトリプルコラボレーションには、AS2OVのバッグの変更点がいっぱいあるんですよね。 トミーのいろいろなアイディアがあったと思うんですが。
TG
まずはボトム部分なんだけど、防水素材なんだ。ビールがこぼれた床に置いてもOKなんだよ。ビアがブワーとこぼれた床にもドン!って置けるよ。あとは細かいディテールが気に入ってる。サイドのネオプレーン素材もストレッチ素材よりも良いし、感触もルックスもユニークなバッグなんだ。
F
フラップのパーツも、オリジナルなものではなく、変更しましたね。
TG
このパーツもメタルなものに変更してもらったんだけどかっこいいよね。 ミリタリーっぽいね。
F
あとこのサイド部分ポケットですね。従来のAS2OVより、ポケット部分を大きくしたんです。
TG
ここはパスポート用ポケットって考えたよ。 かっこいいし便利だ。背負っていてもバックパックを下ろす必要がないから。
E
トミーは旅が多いですもんね。
TG
でも僕が一番かっこいいと思うのはフラップ部分の内側。これはクールだよ。
F
フラップの裏はターポリンにしてあります。雨でも濡れないというアイディアです。あとはトミーがこだわるTGモノグラムを同色でプリントしています。
TG
ちょっとしたスタイルを加えてある。それにこれもクールだね。ジッパーのレザーの引手タグをギター型にしてもらったんだよ。
F
これはびっくりしました。自分たちのアイテムでは、引っ張りやすいように、という機能面でつけているレザー引手なんですが、「これをギターのかたちにしたらいいんじゃない?」というアイディアでギター引手が誕生しました。
E
トミーにはこの引手がデザインパーツ、ビジュアルとして見えていたんですね。
TG
良いバッグだよ。 それにこれ。(バッグに付属する3種類のワッペン)ちょっとしたメッセージなんだ。いくつか種類があって付け替えられる。その日の気分によってね。いいよね。
LIVE AND LET LIVE“ 持ちつ持たれつ ”
WAR NO MORE“ 戦争はもういらない ”
LESS IS MORE“ 少ないほど豊かだ ”
F
あとはさきほどのパスポートポケットと逆サイドのドリンクをいれる用のポケット。ここが苦労しました。トミーのこだわりで、あまりポケット部分が開いてほしくない、っていう。面がすっとしてるというか、出来るだけ飛び出さないかんじ。
E
トミー、そこのこだわりはなんでだったの?
TG
ウェットスーツのようなネオプレン素材を選んだ理由は、ここがフラットな方がすっきりして見えるから。あまり広がると伸びて見えてしまう。
F
ああ,わかります,不格好に見えますね。僕らも気をつけているところです。
サイドのシルエットがポケットに重視しすぎてあまりきれいじゃないのって結構あるんですよ。生地の切り返しでシルエットを保つのは新しいアイディアでした。
TG
見た目が不格好なのは好きじゃないんだ。俺はビジュアルにこだわるタイプだから。
E
でもいいアイディアですよね。生地の切り返しが新しくて、ほかのバッグブランドでは見たことがないディティールになりましたよね。
TG
良い感じに仕上がったね。あとはこのフロントの止水ジッパーもいいよね。密閉されていて。 ビールがかかっても大丈夫だよ。
一同
一同またビール!?(笑)
F
トミーのアイディア全部ビールからやん!
TG
そうだよ、オールビア、オールビア!(笑)バッグの中にビールを入れて、取り出して飲む、でも飲み過ぎると…(こぼすふり)。全てはバッグにビールをこぼしたことを想定しているんだよ、オ〜シット!でも大丈夫,てね。
F
トミーのアイディアで表面的にみえない全面のフロントポケットの中にペンホルダーなんかをつけたんですよ。 ここにはペンやカードやノートを入れて…
TG
中までかっこよく仕上げたよ(笑)
E
もともとAS2OVのNYLON-TWILLというシリーズのバックパックがあって、細かいディティールのアレンジをトミーがどんどんアイディアを出してくれて、冨士松さんがそれに向き合ってくれて、というかたちですよね。
F
結構長い時間打ち合わせしましたね。レザータグもTGマークとAS2OVロゴを掛け合せたりして。
E
僕から提案しておいてなんだけど。。トミー、どうしてこのコラボレーションを受けてくれたんですか?
TG
AS2OVの作っているバッグを見た時、すごくかっこいいし、ちゃんと作られていると思った。俺は質にこだわるんだ。誰かと一緒に商品を手掛けるのであれば、質が良くなければならない。君のつくるバッグは質が高いし、素晴らしいよ。君たちと一緒にバッグのラインを手掛けられたらいいよね。バッグは誰もが使うものだし、俺は旅することが多い。特に自分のニーズにあったものがあるって、素晴らしいことだよ。
E
ファーストサンプルをみたときはどう思いましたか?
TG
ほぼ提案したアイデア通りの仕上がりに驚いたよ。最初の試作品なのに素晴らしいよね。すごく良いと思った。俺は非常にビジュアルにこだわる人間だから、このバッグの見た目がすごく好きだし、最高の仕上がりだと思う。超クールだね。ここ(裏地のモノグラム)が特にお気に入りさ。
E
本当はトミー、メッセンジャーバッグをつくりたかったんだよね。
F
ああ、そうでしたね、次回メッセンジャーやりましょうか、トミー。
TG
ハイ。(日本語)
でも、このバックパックも間違いなく便利だよ。
E
このコラボレーションのもともとのきっかけは、僕がもともと前職でトミーと仕事をさせてもらっていて、いつか一緒にものづくりをしてみたいな、と思っていたんです。
それで、いまの会社(gallery of GAllERIA)でバイイングさせてもらっているAS2OVの世界観とトミーの世界観が、僕の中でなにか共通するところがあって、「バッグをつくらない?」と声をかけさせてもらったんです。
F
僕たちも「えっ!?トミーゲレロ!?」ってなりました。
E
サンプルをみた今でも、このコラボレーションが進んでいることがなんだか信じられない気持ちですね。
TG
時々俺も同じ気分になるよ。信じられない!ってね。 次はギターバッグもやりたいね。
E
トミーはギターのバッグも作りたいんですよね。
F
そうだった、それも言ってましたね。僕はギターとか全然出来ないんで、トミーの言う通りに作ります(笑)
TG
ギターが出来ない?まだ出来ない、でしょ。 バッグをつくったら、そのバッグのためにギター買わなきゃ。
F
ええ〜!?笑 この歳で今からギターを!?僕はバッグをつくる人ってことで大目に見てもらって。。。
一同
笑
F
江口さんからこのお話をいただいて、トミーとの最初の打ち合わせで、とにかくしっかり僕たちのバッグをみてくれるので、ものづくりが好きな人なんだなと思いました。あと、すごく紳士だなと思いました。
打ち合わせの時間も、予定よりかなり伸びたんですけど、どんどんアイディアが出てきて すごいなあと思いました。
TG
ありがとう。今回の機会に感謝してるよ。俺は常に考えているから、あまり寝ないんだ。ベッドに横になっても、いつも考えごとをしている。いろんなアイディアが浮かぶよ。
E
それは音楽以外のことも?
TG
もちろん。いろんなことを常に考えてるよ。
F
僕もです(笑)
E
あっ 僕も!(笑)
TG
ははは、そうだよね。クリエイティブな人は誰でもそうだよ。
E
じゃあトミー、このバッグを目にするファンにひとことお願いします!
TG
BUY THIS BAG! SUPPORT ME!
一同
爆笑
TG
冗談だよ。
ぜひどんな感じか手に取ってチェックしてみてよ。俺は彼らと仕事できる機会に感謝している。すごくクールなことだし、これがコラボの始まりになるかもね。素晴らしい仕上がりだよ。このバッグのキーはディテールへの細やかなこだわりだ。そういう日本の細やかな仕事が好きなんだ。だからこそ、俺は日本のクリエイティブな人たちと仕事をするのが好きなんだ。